普通に生きるって難しくない?

普通に生きるって難しくない?

普通に就職して、普通に仕事して、普通の人間関係築いて、普通にお付き合いして、普通に結婚して、普通に子供つくって…

自分にとってはものすごく難易度が高いように思えた

それだけのことを遂行する精神力が自分にはないと思った

失敗することを極端に恐れていたんだろうと思う

 

だから大学でみんなが就職活動している中、自分は就活から逃げた

仕事をし始めれば自由な時間は無くなる

いろんな人とうまく付き合っていかなければならない

時にはしたくないこともしなければならない

 

そこまでして生きて行く価値ってあるのかなって立ち止まってしまった

普通ならそこで立ち止まらずに、自分で稼いで生活していこう、ってなるんだろうけど

自分はそんなめんどくさいことしてまで生きてこうって思えなかった

 

自分の好きなことを仕事にできればいいんだろうけど

自分にはそこまでの自信がなかった

そんな能力とか才能とかないしって諦めてしまった

 

そもそも社会生活を送っていく自信がなかった

世の中知らないことばっかりで

こんな自分が社会に出ても役に立たないし

恥をかくばっかりできっと辛いだろうなって

 

だからしばらく引きこもってしまった

就職もしてない自分が恥ずかしくて

友人とも連絡を断った

 

引きこもるといっても完全に部屋の中にいるのではなく

図書館に行ったり、映画を見たり、美術館に行ったり、買い物したり

気の向くままに生活した

金は仕送りをもらっていた

いい身分だ

 

それが1年続いた

 

とにかく生きる意味を見つけたかった

 

自分を納得させるためにとにかくたくさんの本を読んだ

先人たちならばなにかヒントをくれるかもしれない

自己啓発本の類を読み漁ったけどむしろ辛くなった

哲学の本は面白いけど、だから社会に出て働いて生きていこうとはならなかった

 

死にたいわけじゃない

生きたい

でも社会に組み込まれるのが面倒で怖くて

うまくやる自信がなかった

 

そんなとき一冊の本が自分を変えた

 

漱石の『それから』だ

 

何気なく手に取ったその小説が

自分の境遇というか心情というか

ものすごくマッチして

貪るように読んだ

 

主人公は今でいうニート

それがいろいろあって

というか好きな人のために社会に組み込まれていく

要は働き始める

 

そう書くとなんだそんなことかと思ってしまうけど

結局自分の幸せだけのために生きるって限界があって

誰かの幸せが絡んだときに生きていく気力は何倍にもなるんだと思う

 

それを機にまずはアルバイトから始めて

社会生活へのリハビリと就職活動のための資金集めをして

今ではなんとかある会社に拾ってもらって仕事をしている

 

仕事をしていてもちろん辛いこともある

面倒なことばっかりで

日曜の夜なんかはサザエさんシンドロームにもなる

 

それでもなんとか生きていこうかなって今は思う

自分にはありがたいことに家族がいるし

将来的には自分の家族を持ってってなりたいし

 

もちろん普通になんて生きられてないと思う

人付き合いは苦手で一人でいた方が楽だと思ってしまうし

仕事では失敗ばっかりだし

失敗したことをうまく相談できないし

 

でも普通じゃなくたっていいんじゃないかな

何が普通かなんてわかんないし

人に迷惑をかけずにさえいれば

自分の人生だからどう生きたって自分の自由だし

苦しんだり悩んだりするために生まれてきたわけじゃなくて

たぶん楽しむために生まれてきたんだから

 

そう思うことにして今は生きてる

でもたまに不安になったり逃げたくなるときもある

そんなときは自分の大切な時間を思い出す

面白い本や感動する映画、美しい景色

まだまだこの世には楽しむ要素がある

 

だからここでは生きる糧として

本とか映画とか心に響いたものを記したいと思う

 

僕の好きな映画『今を生きる』でも言ってた

知識は生きるための道具で、文化は生きていくための心の糧だって